介護の仕事では、利用者の一人ひとりが抱える課題やニーズを把握し、それをできるだけ速やかに介護現場に反映させて、質の高い介護サービスを提供することが求められます。
そのためには日頃から介護職が利用者についての情報を共有し、お互いに検討し合いながら、介護サービスの具体的な内容や方針をこまめに改善または統一していく必要があります。
そこで重要になるのが、日々の業務ミーティングや関連機関が参加する会議といった、様々なレベルでのグループディスカッションです。ここでは介護職が日頃から感じていることや、記録した事例などに基づいて、多角的な視点や意見を出し合うことが基本です。
グループディスカッションをすることで課題への解決を図ったり、様々な援助方法を習得する機会になります。とはいえ、介護職の中にはコミュニケーションが苦手な人がいたり、いつもテーマの方向性が定まらずに時間がかかり過ぎるなど、ディスカッションのあり方に悩みを抱える介護現場もあるでしょう。
そこでミーティングや会議等の担当者には、適切な工夫が求められるのです。

例えばブレーンストーミングを取り入れることもその1つ。このスタイルのグループディスカッションでは自由奔放なアイデアを歓迎し、他の参加者のアイデアを批判しないことが原則なので、ディスカッションが苦手な介護職でも自発的かつ積極的な意見が期待できます。
他方で、日頃から意見の集約に時間がかかるなら、バズセッションが最適かもしれません。
特定のテーマと時間を厳格に設定するため、結論に至るまで方向性の定まった、効率のよいディスカッションが可能になるからです。